怖い漢字って、よく聞きます。
例えば、
取
この漢字の「耳」は「みみ」のことですが、「又」は「右手」のことなので、「取」が表している意味は、「耳」を「右手」で「取る」ということです。「お~怖い」といった感じのものです。他にも「道」「荒」「壁」「仰」「敬」「幸」なども怖い漢字ですが、実は「学校」も怖い漢字ですよというのが今回の小話です。
「学校」という名称を採用したのは、恐らく明治時代で明治政府です。こういう発想を持つのは、明治政府です。明治政府が、薩摩藩士、長州藩士を中心に一部の人たちが実力で奪い取り擁立した政権だということを考えるとすんなりいくかもしれません。
では、まず初めに「学校」の熟語の構成は、何か?ちなみに「二字熟語の構成」は、中学2年で習います。
二字熟語の主な構成
①意味が似ている漢字の組み合わせ
②意味が対になる漢字の組み合わせ
③主語・述語の関係
④修飾・被修飾の関係
⑤下の漢字が上の漢字の目的や対象を示す
中学校では上の5種類を習います。詳しい説明が必要でない人は飛ばして下さい。
①意味が似ている漢字の組み合わせ
「思考」「拡大」「縮小」「山岳」のように意味が似ている漢字の組み合わせです。
「A=B」といったイメージです。
「思=考」「拡=大」「縮=小」「山=岳」
②意味が対になる漢字の組み合わせ
「前後」「善悪」「強弱」「慶弔」のように意味が対になる漢字の組み合わせです。
「A⇔B」といったイメージです。
「前⇔後」「善⇔悪」「強⇔弱」「慶⇔弔」
③主語・述語の関係
「国営」「雷鳴」「地震」のようにふたつの漢字が主語・述語の関係になっている組み合わせです。
「前の漢字=名詞」+「後ろの漢字=動詞」という傾向にあります。
「国営=国が営む」「雷鳴=雷が鳴る」「地震=地が震える」
④修飾・被修飾の関係
「軽傷」「激増」「水路」のようにふたつの漢字が修飾・被修飾の関係になっている組み合わせです。
「前の漢字が後ろ漢字のことを説明する」というのがイメージですが、ちょっと分かりりにくいかもしれません。
「軽傷」の場合は、どのような「傷」か?⇒「軽い傷」
「激増」の場合は、どのうように「増える」か?⇒「激しく増える」
「水路」の場合は、どのうような「道」か?⇒「水の路」
⑤下の漢字が上の漢字の目的や対象を示す
「洗顔」「読書」「登山」のように下の漢字が上の漢字の目的や対象を示す組み合わせです。教科書では、こういった説明がされていますが、僕の能力ではちょっと分かりにくいように感じます。他の言い方だと、ふたつの漢字の間に「漢文のレ点」が入る形です。
ということで、
「前の漢字=動詞」+「後ろの漢字=名詞」といったイメージです。
「洗顔=顔を洗う」「読書=書を読む」「登山=山を登る」
では「学校」の構成は、何か?といいますと、「学」=動詞で、「校」=名詞なので、⑤の「下の漢字が上の漢字の目的や対象を示す」構成の熟語で、「学校=校を学ぶ」という意味を表す熟語になります。
最後は「校」が何か?という問題です。「学校」は、何を学ばせる場所なのか?
「校」は、何か?
「校」の漢字の本来の意味は「罪人の手足をしめつける木」です。ここからは「締め付け」「縛り」「ルール」「決まり」といった意味合いを想像することができます。まとめると「学校」は「ルールや決まりを学ぶ」という意味になります。怖いのは、明治政府がこの「ルールや決まり」の中に「支配者にとって都合のいい」という意味合いを多分に含んでいただろうなーというところです。明治政府の主権が国民に無いのだから、当たり前と言えば、当たり前ですが。
そんなわけで、現在、教育現場でいろいろ立派な理念が提唱されていますが、まずは、この「学校」という名称を変えてほしいなーと思う今日この頃です。
「漢字の小話 怖い漢字『学校』」でした。