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今日の品詞❶名詞②名詞+「する」⇒サ行変格活用の動詞化するものと、名詞+「だ」⇒形容動詞化するもの。

名詞には、
「する」をつけると、動詞化するものと
「だ」をつけると形容動詞化するものがあります。

例えば、
「勉強」に「する」をつけると、「勉強する」という動詞になります。
「健康」に「だ」をつけると、「健康だ」という形容動詞になります。

全てがそうなるわけではなく、
「勉強」に「だ」をつけても、「勉強だ」は、形容動詞ではありません。
「勉強だ」は、品詞分解すると、「勉強=名詞」/「だ=助動詞」になります。

形容動詞か、そうでないかの見分け方は、
「勉強だ」の後ろに「名詞」をつけたとき、
「勉強だ」の「だ」が「な」に変わるか、どうかで判断ができます。

例1 
「勉強だ」+「人」→「勉強な 人」という言い方はしないので、
「勉強だ」は形容動詞ではない。
例2 
「健康だ」+「人」→「健康な 人」という言い方は出来るので、
「健康だ」は形容動詞である。

また、
「健康」に「する」をつけても、「健康する」という言い方はしないので、
動詞にはなりません。


感覚で、そんなことは、分かるという人は、良いのですが、
感覚に自信がない、
もしくは、
法則が気になる人は、つづきをどうぞ。

どのような決まりがあるのか

まず次の問題を解いてみてください。

【問題】①②の下線部の言い方はできるでしょうか。

①彼は、総理する
②彼は、天才な奴だ。

【答】
①できる
②できない

なぜか

①総理
「総理」の意味を国語辞典で引くと、
〔一〕全体をとりまとめて管理すること。また、その役。
〔二〕「内閣総理大臣」の略。
とあります。

意味の文が「~動詞+こと。」で終わっているものは、
「する」がつくと、動詞化する場合があります。(しない場合もあります。)
今回の場合は、
〔一〕の「こと」の直前の「管理する」が動詞なので、
〔一〕の意味を持つ「総理する」という動詞が存在するそうです。
聞いたことありませんが、辞書には載っています。

②天才
「天才」の意味を国語辞典で引くと、
生れつき備わっている、並はずれて、すぐれた才能。
または、その才能をもつ人。
とあります。

意味の文が「~名詞」または、「~もの。」
終わっているものは、
基本、「だ」をつけても、形容動詞化できません。
「天才」の場合、
「~才能=名詞」、「~人=名詞」と、どちらも名詞で終わっています。

なぜ、形容動詞化できないのかというと、
形容動詞が表しているものが「状態・性質」だからです。

状態・性質=さま
状態・性質≠もの・こと

よって、
「さま」の名前を表している名詞に「だ」をつけた場合に限り、
形容動詞化することができます。

まとめ

【動詞化】

名詞の意味の文末が
「~動詞+こと。」の場合、「する」をつけると、動詞化できる場合があります。
ただし、辞書をパラパラと見ただけでも、
動詞化できないものがたくさん見つかるので、半々ぐらいな感じでしょうか。

出来ない例
「信教…ある宗教を信仰すること。」「信教する」なし。
「私刑…法によらず、個人や集団が勝手に制裁を加えること。」「私刑する」なし。
焼身…自分の体を火で焼くこと。」「焼身する」なし。

※同音では、「昇進する」「焦心する」「傷心する」という言葉があるのですが、
焼身する」だけは、言わないそうです。

また、
文末が「~こと。」でも、
「~形容詞・形容動詞+こと。」の場合は、「する」をつけても、基本、動詞化できません。
例 活発…いきいきとして勢いのよいこと。
  活発する×

【形容動詞化について】

名詞の意味の文末が
「~さま。」の場合、「だ」をつけて、基本、形容動詞化できます。
形容動詞化の場合、
「さま」の直前が「動詞・形容詞・形容動詞」であっても、可能です。

例 暴慢…勝手気ままに、いばり散らすさま。「いばり散らす=動詞+さま」
  暴慢だ⇒暴慢な人〇 形容動詞

例 活発…いきいきとして勢いのよいさま。「よい=形容詞+さま」
  活発だ⇒活発な人〇 形容動詞

例 元気…健康なさま。「健康だ=形容動詞+さま」
  元気だ⇒元気な人〇 形容動詞

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