演技のことは分からないので、アレですが、ブラッド・ピットの特筆すべき点は、ナチュラルに何にでもなれるところではないでしょうか。どう見ても恰好いいと思うのですが、ダサくもなれるし、マッチョにもなれるし、ヒーローにもなれます。
2008年『バーン・アフター・リーディング』は、相当にダサいです。
作ったダサさではなく、ナチュラルにダサいです。あまり評価されていないかもしれませんが、ハンサム顔のまま、ダサくなれるなんて、相当な演技力ではないでしょうか。ダサくなれるなら、親父にもなれる。2011年の『ツリー・オブ・ライフ』では、角刈りの強権的な父親を演じています。角刈りのブラッド・ピットも、なかなか良いです。
というわけで、軍人にもなれます。
2009年『イングロリアス・バスターズ』
2014年『フューリー』
2017年『ウォー・マシーン: 戦争は話術だ!』
の3作品で軍人を演じていますが、それぞれで、軍人を演じ分けています。『イングロリアス・バスターズ』では、カリスマが漂う、より漫画的な軍人に。ちょっとシャクレなところが愉快です。『フューリー』では、ヒーロー要素を封印し、よりナチュラルな軍人を。『ウォー・マシーン: 戦争は話術だ!』では、 ダミ声の、ステレオタイプな軍人を。敢えて僕が言わななくても、皆が知っていることですが、ブラッド・ピットって、スゴいわー。
【軍人3部作について】
2009年『イングロリアス・バスターズ』
クエンティン・タランティーノの7作目。タランティーノ最大のヒット作となり、アカデミー賞では、8部門でノミネートされ、クリストフ・ヴァルツが助演男優賞を受賞。ブラッド・ピットは、タランティーノ作品にも、軍人役にも、意外とハマり、何にでもなれる演技力が改めて実証された作品です。
2014年『フューリー』
youtu.be 『イングロリアス・バスターズ』に続く軍人2作目です。『イングロリアス・バスターズ』と同じく、第二次世界大戦を描いた戦争映画で、3作品の中では、一番戦争しています。監督のデヴィッド・エアーは、同じ2014年に アーノルド・シュワルツェネッガー主演で『サボータージュ *1』を制作しています。
2017年『ウォー・マシーン: 戦争は話術だ!』
アメリカ陸軍大将のスタンリー・マクリスタルの実話をベースにし、架空の事件を描いた戦争映画。今回のブラッド・ピットは、風貌は、本人に寄せたのか、寄せていなのいか、分かりませんが、結果、少し渡部篤郎風の仕上がりになっていました。映画の内容は、特に見せ場も、過度な盛り上がりもなく、淡々と時間が経過した印象。個人的には、良かったですが、薦められて、観たら面白くない可能性が。
「ブラッド・ピットの軍人3部作」でした。
*1:アガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』を原作にしているが、原作と言わなくてもいいぐらいの別内容。デヴィッド・エアーは、義理堅い人なのか。