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ケンシロウ、怒りの鉄拳

北斗の拳 5巻

愛をとりもどせ!!

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TOUGH BOY

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 中学生の頃、「あたたたたた」でお馴染みの『北斗の拳』を愛読していましたが、当時の僕は、ケンシロウがそれほど好きではありませんでした。

 なぜだろう? 自分より他人を優先するところを、優等生のように感じたからだろうか?犠牲の人過ぎて、心配になるからだろうか?それとも、ブルース・リーよりジャッキー・チェンが好きだったからだろうか?ところが、この前『北斗の拳』を読み返していて、優等生でもない、犠牲の人でもない、ケンシロウを見つけました。

 JCコミックス『北斗の拳』第5巻の中のジャギ編「怒拳四連弾!!」の巻、ジャギはケンシロウの義理の兄で、腕前が劣る上に、性格に難があるという人物です。なぜ、こんな男が北斗神拳の伝承者候補になっていたのか?謎でしたが、1986年集英社から発行された『北斗の拳 SPECIAL ALL ABOUT THE MAN』という雑誌に同じような質問と解答があったので、ここに紹介します。

Q、「リュケンは、なぜジャギのような人間を養子にしたのですか?」

A、「兄弟を競いあわせるためには、

   ジャギのような毒を持った人物も必要だったのです。

   彼があのような破壊者になったのも、

   兄弟間の競争に敗れたからで、

   もともとは、拳法の才能豊かな人物だったのです。」

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 知らなかった、悲劇です。リュウケン(師父)のアフター・ケアさえ、しっかりしていれば、ジャキは救われていたのかもしれないと考えると、ことさら気の毒です。継承者争いに敗れたジャギは、ケンシロウに難癖をつけるも、ボコボコ(10発程度?)に殴られ、おまけにハゲさせられてしまいます。「泣きっ面に蜂」とは、このことでしょうか。その後「このうらみはらさでおくべきか!!」とばかりにジャギは、ケンシロウに復讐するため、謀略、謀略、謀略を重ね、数々の悲劇が展開してしまいます。「怒拳四連弾!!」の巻は、その決着場面です。

 

 ケンシロウは「きさまの謀略のために果てた4人の怒り…悲しみをじっくり味わうがいい!!」とジャギに宣言。

1発目はシンのため

 そして、「これは、シンの分!!」と言いながら、2ページ見開き上段を使って、ジャギの胸から顔面にかけて4~5発足の裏で蹴り上げました。

2発目はユリアのため

 さらに、顔面から胸にかけて、右、左、右と拳で3発、殴り、「ユリアの分だ!!」と。ユリアは、ケンシロウの婚約者です。しかし、これは、1ページの6分の1程度のコマと控えめ。

3発目は幼い兄弟のため

 3発目は、ボウガンの矢を見せながら、「三人目は、あの幼い兄弟の分!!」と言い、ドスッとジャギの胸に矢を突き刺しました。これは、1ページ3分の1程度

最後は自分のために

 そして、最後は「最後にこれは…」「きさまによってすべてを失った」「おれの…」「おれの…」とオーラ全開で、怯えるジャギに滲み寄り、ページの半分を使い、「このおれの怒りだあ!!」と絶叫!!1ページを使って、ジャギの左こめかみから頬にかけて、強烈な右の握り拳、1発を叩きつける。

 

まとめ
シンの分  蹴り4~5発   ページ占有率100%  
ユリアの分 拳3発      ページ占有率約17% 
兄弟の分  ボウガン矢1刺し ページ占有率約33%
自分の分  強烈な拳1発   ページ占有率100%    
※ページ占有率は、1ページを100%と考えました。

 

 ああ気分爽快。自分の分のときが一番強烈でした。自分の怒りを最優先にしたケンシロウに「そういうときもあったんだなー。」と少しばかり安心しました。

 しかし、ケンシロウの旅は、まだまだ続きます(残り22巻)。