「Aは Bが 述語」という文のときの主語は、「A」なのか?「B」なのか?
「ややこやしい話」です。
ややこやしい割りに
理解しても、得るものが多くありません。
よって、
脳の特性で「気になる人」は、どうぞ。
では、
次の「問題」を考えてみてください。
①象は 鼻が 長い。
①は、分かりやすいです。
「主語探し」は、
基本、「述語」を頼りに探します。
①の述語は、「長い」なので、
「長い」のは、「何」かを考えます。
「象は=長い」のか、「鼻が=長い」のかと考えたとき、
「鼻が 長い」となるので、
①の文の「主語」は、「B」の「鼻が」になります。
②彼は 彼女が 好きだ。
ココから「ややこやしい」です。
「答え」から言うと、
「彼は 好きだ」と「彼女が 好きだ」の2つ答えがあります。
なぜ、そうなるのか?
②の文の「好きだ」は、
「形容動詞」で、
「意味」は、「心がひかれるさま(=状態)。」です。
「A」を主語とする場合、
「彼は 彼女に 心がひかれる状態だ。」と考えることができ、
「B」を主語とする場合は、
「彼については 彼女が 心がひかれる状態だ。」と考えることができるので、
この文だけでは、
「主語」を特定できず、「答え」が2つ存在します。
③彼は 冬休みが 楽しみだ。
もっと「ややこしい」です。
「答え」は、
「彼は 楽しみだ」と「冬休みが 楽しみだ」の2つあります。
「形」だけ見れば、②と同じですが、「内容」は、違います。
なぜ、「内容が違う」のか?
「楽しみだ」には、
「たのしみだ」=形容動詞「たのしみだ」の場合と
「たのしみだ」=名詞「たのしみ」+助動詞「だ」の場合の可能性があるからです。
「A」を主語とする場合、
「楽しみだ」=「形容動詞」で、
「彼は 冬休みが待ち遠しいと 思う状態だ。」と考えられ、
「B」を主語とする場合は、
「楽しみだ」=「名詞」+「助動詞」で、
「彼の場合 冬休みが 楽しいと思う事柄だ。」と考えられます。
④⑤は、さらにもっと「ややこやしい」です。
④の答えは、「織田信長は」と「相撲が」の2つありますが、
⑤の答えは、「織田信長は」の1つしかありません。
なぜ、そうなるのか?
「好きだ」には、
「すきだ」=形容動詞「すきだ」の場合と
「すきだ」=名詞「すき」+助動詞「だ」の場合があります。
「意味」は、ほぼ同じですが、末尾が異なります。
形容動詞「すきだ」=「心がひかれるさま(=状態)」で、
名詞「すき」+助動詞「だ」=「心がひかれること+だ(断定)」です。
④織田信長は 相撲が 好きだ。
「A」を主語とする場合、
「好きだ」は、「形容動詞」で、
「織田信長は 相撲に 心がひかれる状態だ。」と考えられ、
「B」を主語とする場合は、
「好きだ」は、「名詞」+「助動詞」で、
「織田信長の場合 相撲が 心がひかれる事柄だ。」と考えられます。
しかし、
⑤織田信長は 金平糖が 好きだ。
⑤の文では、「B」を主語とすることができません。
なぜ、「⑤では、「B」を主語にできない」のか?
「A」を主語とする場合、
「好きだ」は、「形容動詞」で、
「織田信長は 金平糖に 心がひかれる状態だ。」と考えられます。
仮に「B=金平糖」を主語とする場合、
「金平糖」は、「もの」であるため、「何かに心がひかれる」ことがないので、
「好きだ」=「形容動詞」の可能性がなく、
「好きだ」=「名詞」+「助動詞」になります。
このとき、
「好き」の意味は、「心がひかれること」です。
「金平糖」は、
「心がひかれるもの」であって、「心がひかれる事柄」ではないため、
「B=金平糖」を主語にすることはできないと考えられます。
「B=金平糖」を主語にどうしてもしたい場合は、
「織田信長は 金平糖が 好物だ。」とか
「織田信長は 金平糖が 好きなものだ。」とすると良いかと思います。
【答え】
①B ②A,B ③A,B ④A、B ⑤A