「文学的文章」は、
基本、「プラス表現」と「マイナス表現」で作られます。
そして、
「プラス表現」「マイナス表現」の箇所は、
「問題を作りやすいところ」です。
ということは、
「プラス」「マイナス」を確認しておけば、
「テスト対策」になるということです。
私は、
これを「プラス・マイナス理論」と勝手に呼んでいます。
では、
『字のない葉書』の最終場面を使って、テスト対策してみましょう。です。
はい、「プラス」「マイナス」は、☟の通りです。
全部で5か所あります。
1つ目
最初の「プラス・マイナス」は、
妹が「葉書」に書いた「〇」「×」です。
「〇」=「元気」=プラス
「✕」=「元気でない」=マイナス
【問題パターン】
Q
「赤鉛筆の大マル」から、妹のどのような気持が分かりますか?
A
赤鉛筆の大マル=とても元気。
→マルは急激小さくなる=最初ほどの元気は、なくなる。
→情けない黒鉛筆の小マル=最低限の元気。
→✕=元気でない。
2つ目
2つ目は、「原因結果」の「マイナス」です。
「まもなくバツの葉書も来なくなった。」=マイナスの結果
「百日ぜきをわずらっていた」=マイナスの原因
マイナスの原因で、マイナスの結果が起きました。
【問題パターン】
Q
①「まもなくバツの葉書も来なくなった。」とありますが、なぜですか?
もしくは、
②「まもなくバツの葉書も来なくなった。」の理由がわかる部分を書き抜きしましょう。
A
①百日ぜきをわずらっていたから。
②百日ぜきをわずらっていた
3つ目
3つ目は、「原因結果」の「プラス」です。
「父も、この日は何も言わなかった。」=プラスの結果
「これぐらいしか妹を喜ばせる方法がなかったのだ。」=プラスの原因
マイナスの原因で、マイナスの結果が起きました。
【解説】
「父も、この日は何も言わなかった。」の「父も」の「も」は「逆接」です。
「いつもは、小さいのに手をつけると叱る父だが、この日は、叱らなかった。」という意味です。
「これ」=二十数個のかぼちゃを一列に客間に並べたこと。
【問題パターン】
Q
「父も、この日は何も言わなかった。」とありますが、なぜですか?
A
二十数個のかぼちゃを一列に客間に並べたことぐらいしか妹を喜ばせる方法がなかったから。
4つ目
4つ目は、「プラス」です。
「帰ってきたよ!」=「弟のプラスの感情」から出たセリフです。
【問題パターン】
Q
「帰ってきたよ!」から、弟のどのような気持が分かりますか?
A
「妹の帰りを待ちわびる気持ち。」
「妹が帰ってくるのを、一秒でも早く知りたいと待ちあぐむ気持ち。」
「早く帰ってきてほしいと願う気持ち。」
「早く妹に会いたいと望む気持ち。」
5つ目
最後は、「プラス&マイナス」です。
「プラス」と「マイナス」が混ざっている語句は、要注意です。
通常の先生なら、まず「出題する箇所」です。
「はだしで表へ飛び出した。」
「やせた妹の肩を抱き、声を上げて泣いた。」
「大人の男が声を立てて泣く」
3つとも、父の「子供に対する父の愛情」から生まれた行動です。
この「子供に対する父の愛情」は、
この文章の「主題」です。
【問題パターン❶】
Q
父が「はだしで表へ飛び出した。」のは、なぜですか?
A
「妹が無事か心配で、一刻も早く会いたかったから。」
【問題パターン❷】
Q
「やせた妹の肩を抱き、声を上げて泣いた。」から、父のどのような気持ちが分かりますか?
【解説】
ここは、「プラスの感情」と「マイナス感情」が混じりあっている場面なので、
その2つの気持ちを書かなければなりません。
プラス面=「うれしい」
マイナス面=「心配」「あわれ」「申し訳ない」
A
「娘が無事か心配な気持ちと、帰ってきてうれしい気持ち。」
「つらい思いをさせて、申し訳ないという気持ちと帰ってきてくれて、うれしい気持ち。」
【注意】
「授業者の板書内容」を優先させて下さい。