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今更ながらブルース・リー 後編 最後の3年間 

Bruce Lee: The Authorized Visual History

 後編は、1970年~1973年の最後の3年間です。

 

・1970年、香港最大の映画会社「ショウ・ブラザース」に企画を売り込むも採用されず失敗に終わったが、「ショウ・ブラザーズ」から独立した「デン!デン!デン!デン!デ~デ~デ~デ~」のオープニングでお馴染みのゴールデン・ハーベスト社を起ち上げたばかりのレイモンド・チョウから2本の映画出演契約(1本1万香港ドル*1)のオファーが舞い込む。こうして、翌年の1971年に『ドラゴン危機一発』が制作される。

 

『ドラゴン危機一発』1971

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 本格主演第1弾。ブルース・リー、30歳のときの作品です。表紙にある青字の「ブルース・リー第2弾」は、日本での公開が『燃えよ!ドラゴン』の後のためで、日本では主演5作品全てがブルース・リー死後の公開でした。英題「THE BIG BOSS」とあるように、敵役は、勤務することになった製氷工場の悪徳社長です。

 劇中、ブルース・リーの製氷工場での肩書が主任だったので、最後は、主任対社長の闘いです。

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・1972年、『ドラゴン危機一発』から僅か4か月で2作目を制作。

『ドラゴン怒りの鉄拳』1972

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 舞台は、20世紀初頭の上海、今作の敵役は、日本人武道家「鈴木寛」です。「怒りの鉄拳」というぐらいなので、怒りの表情が爆発します。劇終盤で外国人用心棒の喉元へのチョップの後の般若のような表情は小学生の頃見てて、非常に怖かったです。

※下の動画で闘っている人は「鈴木寛」ではありません。

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 ノラ・ミャオとのキス・シーンやヌンチャク初披露など、見どころの多い作品です。またブルース・リーの中で、もっとも関連作品が多く、主人公の陳真(チェン・ジェン)は多くの俳優に演じられています。有名どころでは、1994年にジェット・リーが『フィスト・オブ・レジェンド/怒りの鉄拳』で、2010年に『イップ・マン』シリーズでブルース・リーの師匠「イップ・マン」に扮しているドニー・イェンも『レジェンド・オブ・フィスト 怒りの鉄拳』で、主人公の陳真を演じています。

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ジャッキー・チェンもラストシーンに登場(!?)

 最後の激闘で、鈴木寛(=今作の敵役)は、陳真(=ブルース・リー)の飛び蹴りでぶっ飛びますが、このスタントをしたのがジャッキー・チェンだと云われています。1974年以降映画界から離れていたジャッキー・チェンは、1976年に今作品の監督ロー・ウェイが企画した、『ドラゴン怒りの鉄拳』の続編『レッド・ドラゴン/新・怒りの鉄拳』の主役に抜擢され、翌年の『スネーキー・モンキー 蛇拳』でブレイクします。

  

 

 

・1972年、『ドラゴン怒りの鉄拳』から9カ月後に3作目を制作。

『ドラゴンへの道』1972

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 ブルース・リー初監督作品です。「寡黙」「怒り」といったイメージが強いブルース・リーですが、『ドラゴンへの道』は、ユーモア場面も多く、笑顔が一番多い作品で、僕の中では『燃えよ!ドラゴン』に次ぐ、お気に入り作品です。今作の敵役は、アメリカ人武道家ゴードンです。このアメリカ人武道家ゴードンに扮するのは、若き「チャック・ノリス」です。というわけで、最大の見せ場はコッロセオで激突するブルース・リー対チャック・ノリスです。

※チャック・ノリス登場シーンです。

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チャック・ノリス
 『地獄のヒーロ』シリーズや『デルタ・フォース』で知られる武道家、映画俳優、社会運動家。最近では、やっぱり『エクスペンタブルズ2』でのスタローンとのやりとりに「久々に映画だなー!!!」と興奮を覚えました。

 

『燃えよドラゴン』1973

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 ハリウッド大手のワーナー・ブラザースとの合同で制作された、功夫(カンフー)映画の最高傑作。今作の敵役は、要塞島の支配者である麻薬王「ハン」。音楽のラロ・シフリンは『ミッション・インポッシブル』のテーマや、『ダーティ・ハリー』のテーマを手掛けた巨匠です。ジャッキー・チェンのハリウッド初作品『ラッシュ・アワー』のテーマ曲も担当しているのが嬉しいです。

 日本では、1974年に劇場公開され、その年の興行成績洋画部門の第2位『燃えよカンフー』、第4位『ドラゴン怒りの鉄拳』、第5位『ドラゴン危機一発』にブルース・リー主演作品がランクインしました。

燃えよドラゴンのテーマ

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  • ラロ・シフリン
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  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

※サモ・ハン・キンポーとのオープニングマッチです。グローブに関節技、総合格闘技の原型のような演出です。どうでもいいことですが、負けて帰っていくサモ・ハン・キンポーの態度がちょっと悪いのが気になります。

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ゴールデン・ハーベスト社のゴルデン・トリオが揃い踏み

 冒頭のオープニングマッチで、サモ・ハン・キンポーが確認できますが、ジャッキー・チェンとユン・ピョウも何処かにいるようです。ジャッキー・チェンは、81分過ぎでブルース・リーに飛びつき、首の骨を折られる人ではないかと思われます。あと殴られた後に池ポチャすると聞いたことがあるので、83分過ぎにヌンチャクでぶん殴られる人も、ジャッキー・チェンかもしれません。ユン・ピョウは分かりませんでした。

 

・1973年7月20日、32歳の若さで永眠。

 

『死亡遊戯』1978

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『燃えよドラゴン』のラロ・シフリンに勝るとも劣らない、ジョン・バリーのテーマ曲も秀逸です。

ブルース・リー「死亡遊戯」テーマ

ブルース・リー「死亡遊戯」テーマ

  • ジョン・バリー
  • サウンドトラック
  • ¥150
  • provided courtesy of iTunes

  ブルース・リーの死後、5年の月日を費やして、『燃えよカンフー』の制作を優先させたため、撮影が中断していた『死亡遊戯』の撮影済の格闘場面を基にみんなで協力して作り上げた最終作品。映画の完成には、断然映像が足りなかったため、みんなで足りない部分を補い合う工夫や苦労(過去の作品映像の流用。サングラスをしたままで激闘。ヘルメットをかぶったまま激闘。等身大ポスターを相手に撮影など。)が随所に見られ、とにかく大変だったんだなーということが確実に伝わる作品です。今作の敵役は、塔の最上階で待ち構える「ハキム」。ハキム役は、当時、NBAレイカーズのスパースターだったカリーム・アブドゥル=ジャバーです。

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「今更ながらブルース・リー 後編」でした。

www.taketakechop.net

*1:1970年は、分かりませんでしたが、1980年だと、1香港ドル=45円ぐらいなので、日本円で1本45万円!?