1985年海賊の宝を探す『グーニーズ』と1986年死体を探す『スタンド・バイ・ミー』

　ちなみに両作品とも「オレゴン州」を舞台としています。一方は、少年団が海賊の宝を探す旅に出るお話で、もう一方は、少年団が死体を探す旅に出るというお話です。「海賊の宝」と「死体」という違いはあるのですが、どちらも「宝探し」なのだと考えると、主題は同じです。しかし、味付けが違うと、こんなにも違う作品になるのだなーと思ったりした、10代半ばに観た思い入れのある２作品です。

1985年『グーニーズ』

　『グーニーズ』は、オレゴン州の港町アストリアに暮らす落ちこぼれ少年団「グニーズ」が屋根裏で見つけた古地図から海賊ウイリーが隠した宝を探す冒険に旅立つお話です。

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●『グーニーズ』にまつわる小話

・『グーニーズ』は、1985年の全米興行成績では、第６位にランクインしています。ちなみに1985年の第１位は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でした。

・主演のショーン・アスティンは、この『グーニーズ』の16年後に再び冒険に旅立ちます。今度は、フロド・バギンズの親友のサムとして『ロード・オブ・ザ・リング』に参加します。

・兄役のジョシュ・ブローリンは、2012年の『メン・イン・ブラック3』でトミー・リー・ジョーンズが演じた「エージェントK」の若き日の「ヤング・エージェントK」を演じています。また最近では『アベンジャーズ』シリーズで「サノス」を演じています。

・「マウス」役のコリー・フェルドマンは、『グレムリン』『ロストボーイ』『メイフィールドの怪人たち』にも出演している、この時代の売れっ子子役でした。実は『スタンド・バイ・ミー』にも出演しています。

・中国系の少年「データ」役のキー・ホイ・クァンは『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』のショート・ラウンド役の子です。

・フラッテリー・ママが率いるギャング「フラッテリー一家」は、翌1986年公開の『天空の城ラピュタ』の空中海賊「ドーラ一家」を想起させます。ただし「ドーラ」のキャラクターモデルは、宮崎監督の母親だと云われています。

・監督は、『オーメン』『スーパーマン』を監督したリチャード・ドナーです。『グニーズ』は、リチャード・ドナーにとって８本目の作品でした。この次の９本目の作品がメル・ギブソン主演の『リーサル・ウェポン』でした。

●主題歌は、シンディー・ローパーが歌う「The Goonies 'R' Good Enough」です。

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『スタンド・バイ・ミー』

　『スタンド・バイ・ミー』は、1959年、オレンゴン州の小さな田舎町キャッスル・ロックで暮らす仲良し４人組は、偶然聞いた情報から30㎞先の森に死体を探す旅に出かけるお話です。

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●『スタンド・バイ・ミー』にまつわる小話

・原作は「ホラーの帝王」スティーヴン・キングの短編集『恐怖の四季』の中に収録されている秋の物語『THE BODY』です。今作品に対して、スティーブン・キングは「僕の小説の人物の香りを本当に再現できた作品」と賛辞を贈ったと云われています。

・「キャッスル・ロック」という町は、スティーブ・キングの複数の小説に出てくる架空の町ですが、1983年『デッドゾーン』や1983年『クジョー』もこの「キャッスル・ロック」を舞台としたお話です。

・クリス・チェンバーズを演じたリヴァー・フェニックスは『スタンド・バイ・ミー』が２本目の主演映画でした。（リバー・フェニックスが演じたクリスは、作品の中で若くして亡くなってしまうが、リバー・フェニックスも、クリスとほぼ同じ23歳の若さで亡くなっています。）また、この1986年にはハリソン・フォードと共演して話題になった『モスキート・コースト』に出演しており、ハリソン・フォード繋がりでいうと、この３年後の1989年には『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』で若き日のインディー・ジョーンズを演じました。

・不良グループのリーダーのエース・メリル役で、『24 -TWENTY FOUR-』の主人公ジャック・バウアーを演じたキーファー・サザーランドが出演しています。翌1987年には、『スタンド・バイ・ミー』のテディ役のコリー・フエルドマンと『ロストボーイ』で共演しています。

・監督は、ロブ・ライナーです。『スタンド・バイ・ミー』は、監督３作目でした。４年後の1990年には、再びスティーブン・キング作品の映画化に取り組み、『ミザリー』を監督しました。『ミザリー』では、主演のキャシー・ベイツが第63回アカデミー賞主演女優賞を受賞しています。

・主題歌は、ベン・E・キングが1961年に発表した、オールディーズの名曲「スタンド・バイ・ミー」で、この映画の主題歌に起用されたことでリバイバルヒットしました。

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