金太郎さんは、昔から「金太郎」では、ありません。
江戸時代は、「怪童丸」と呼ばれるのが一般的だったそうです。
桃太郎・浦島太郎・金太郎の三太郎の中では、一番お話が知られていない結構、謎な存在です。
■金太郎は、何かモノか?
「桃太郎=桃から生まれた超人」「浦島太郎=異界に行った人間」であるのに対して、金太郎は、どのような存在か?これが「マサカリを担いでいる」理由になります。
■金太郎の母親と父親は、誰か?
説が多数存在するので、まさに「諸説あり」ですが、
金太郎の母親は、あの「山姥」です。ただビジュアル的には、「ワイルド系山姥」ではなく、「ビューティ系山姥」で描かれることが多く、名前は、「八重桐(やえぎり)」といい、彫物師十兵衛の娘という説や、足柄長者の足柄兵太夫の娘とする説がみられます。
一方、父親の説は、3つあります。
その1「酒田蔵人」説。どういう人だか、よくわかりません。
その2「源頼光」説(近松門左衛門の『嫗山姥』がこの設定です。)源頼光は、清和源氏の流れをくむ摂津源氏の祖で、「酒呑童子退治」や「土蜘蛛退治」のエピソード所有する、平安時代、もっとも有名な妖怪ハンターでもあります。ちなみに鎌倉幕府の源頼朝とは、同じ清和源氏グループですが、別系統です。源頼朝は、河内源氏。
その3「赤竜(=雷神)」説
■父と母の組み合わせ
この組み合わせにより、金太郎が何モノであるかが分かります。
◎酒田蔵人×八重桐の場合
「金太郎=酒田金時(実在する人物)」と云われる拠り所となる組み合わせです。八重桐が身ごもったのち、酒田蔵人が死去、八重桐は、心乱れ、深山に入り、山姥に変化したのち、出産。
酒田蔵人(人)×八重桐(人⇒山姥)=金太郎(半妖怪)
◎源頼光×八重桐の場合
近松門左衛門の『嫗山姥』の詳しい話が分からないので、アレですが、ただ「金太郎=酒田金時(実在する人物)」とすると、源頼光と酒田金時の年齢差が7歳しかないので、ちょっと難しい設定になってしまいます。
源頼光(人)×八重桐(山姥)=金太郎(半妖怪)
◎赤竜×八重桐の場合
赤竜(雷神)×八重桐(山姥)=金太郎(神妖怪)
実は、この設定が金太郎の「赤い体」「鉞(マサカリ)を担ぐ」ビジュアルに影響しました。鉞は、雷神を象徴する武器です。
■まとめ
金太郎がマサカリを担いでいる理由は、金太郎は、雷神の子であるため、金太郎の手にする武器には、雷神を象徴する鉞(マサカリ)が採用された。
■最後に金太郎簡単年表
955年 足柄山もしくは、金時山で、八重桐が赤竜とまじる夢を見て、生まれ、山でクマ・サル・シカ・ウサギなどと相撲のケイコに励む。
976年 21歳のとき、源頼光(28歳)一行にスカウトされ、京へ。
990年 35歳のとき、大江山の酒呑童子を退治する。
1012年 55歳のとき、九州征伐の際、筑後の国で熱病にかかり死去。
※近松門左衛門の『嫗山姥』の場合は、1021年 66歳のとき、源頼光没後、故郷へ帰る。