光村図書発行の『国語3』を対象にしています。今回の記事は、本文がないと訳分かりませんので、悪しからず。
【ジャンル】解説文。
俳句の形式や約束事について、解説した文。
【特 徴】俳句部分は、覚えれば、点数が稼げるところです。
【すべきこと】俳句の基礎知識を覚えることと、
各俳句に対する一般的な鑑賞例と
作者のメッセージを確認すること。
【俳句と短歌の違いを確認しよう】
どちらも、詩で、定型詩です。
定型詩とは、
読んで字のごとく、
「型が定まった詩(=一定のリズムで詠まれる詩)」のことです。
短歌と俳句の違いは、
定型(=音のリズムの型)が違います。
短歌は、「5・7・5・7・7」という5句・31音ですが、
俳句は、「5・7・5」で3句・17音です。
また、
俳句は、基本「季語」を必要とします。
季語は、「歳時記」という本に載っています。
※「歳時記」とは、俳諧の「季題」「季語」を集め、分類し、解説し、例句を加えた辞書。
【表現技法を復習しよう】
俳句(詩)の問題で、よく聞かれる知識です。
この後の教材『挨拶』でも出てきます。
常に8技法を言えるようにしておきましょう。
【ざっくりと説明】
喩える技
①直喩(ちょくゆ)…「足が棒のようになる」といった喩える技。
②隠喩(いんゆ)…「足が棒になる」といった喩える技。直喩の「のよう」を隠すと隠喩。
③擬人法…人でないものを人に喩える技。擬人法の「擬」は、「まねる」という意味。
強調する技
④体言止め…名詞(=体言)で文末を終える技。
⑤倒置法…「主語」「修飾語」「述語」などの語順を入れかえる技。
⑥対句法…同じ構成で似た内容の「句」を対にする技。
⑦反復法…同じ言葉や内容を何度も繰り返す技。
⑧省略法…言葉を省く技。
この単元で、
【覚える基本情報】
・俳句の種類
この本文で出てくる俳句の種類は、3種類です。
①有季定型
②無季俳句
③自由律俳句
それぞれの違いと漢字で書けるようにしておきましょう。
①有季定型…「五・七・五」の定型で、「季語」がある俳句。
※定型なし、季語なし⇒無季自由律
②無季俳句…「五・七・五」の定型ではあるが、「季語」がない俳句。
③自由律俳句…「五・七・五」の定型にこだわらない俳句。
※「定型」を「定形」と書き間違えてしまう人へ
「型」と「形」の意味を確認すると間違えなくなるかもしれません。
型…物を種類分けしたときの形式。
形…物の見た目のかたち。
・切れ字
=俳句の中で句の切れ目に使う言葉。
「や」「かな」「けり」などがある。
この単元で、
【注意すること】
俳句の鑑賞について
本来、鑑賞の感想は、自由です。
どんなふうに感じても、どんな意見をもっても、自由です。
しかし、
テストになると、話が変わってきます。
テストでは、あなたの解釈は、聞かれていません。
あくまでも、
「一般的な解釈」や「教科書での解釈」が聞かれているので、
「一般的な解釈」と「自分の解釈」が違っていた場合は、
印をつけておくなどして、チェックしておくと、
テスト直前の見直しのときに役立ちます。
【各俳句について】
●どの子にも 涼しく風の 吹く日かな 飯田龍太
季語「涼し」
季節「夏」
俳句の種類 有季定型
切れ字「かな」
●いくたびも 雪の深さを 尋ねけり 正岡子規
季語「雪」
季節「冬」
俳句の種類 有季定型
切れ字「けり」
●跳箱の 突き手一瞬 冬が来る 友岡子郷
季語「冬」
季節「冬」きりっとした初冬
俳句の種類 有季定型
【本文でおさえるところ】
・「一瞬」を「冬」という長い時間につなぐことができるように、
短い字数でいろいろなことが表現できるところ
=「俳句の可能性」が秘められている。
●たんぽぽの ぽぽと絮毛の たちにけり 加藤楸邨
季語「たんぽぽ」
季節「春」
俳句の種類 有季定型
切れ字「けり」
【本文でおさえるところ】
・「ぽぽ」というときの唇の丸い形と声の響き
=たんぽぽの丸い絮毛の軽やかな様子
・声に出して読むことで言葉が生き生きしてくる
=韻文の特徴
●分け入つても 分け入つても 青い山 種田山頭火
季語「なし」
俳句の種類 自由律俳句⇒「7・7・5」=定型崩れ
無季俳句⇒季語なし
【本文でおさえるところ】
繰り返した言葉のリズム=山道をひたすら進む歩調
⇒読者をともに歩いているかのような調子に誘い込む。
【作者のメッセージ】
・関心をもてば
⇒教室の窓から見える雲も、
風に揺れる草木も、
道端の小石も虫も、
友達や家族も =「みな俳句の主役」
⇒「関心を持てば」=「みな俳句の主役」
・俳句を作るとき、
うまく作ろうと思わなくても、
目を留めたものに「こんにちは。」という挨拶の気持ちが伝われば、
その気持ちはおのずと俳句となる。
・気に入った風景を
カメラで撮るような気軽な感覚で自由に俳句を作ってほしい。
できあがった俳句は、
その瞬間の気持ちを鮮やかに映し出した、
「作者だけの大切な記録」となるだろう。
⇒「できあがった俳句」=「作者だけの大切な記録」
【まとめ】
・俳句の基本定義をおさえよう。
定型は、「5・7・5」で、季語が必要。
・俳句の種類を覚えよう。
①有季定型
②無季俳句
③自由律俳句
「分け入つても 分け入つても 青い山」は、この文章の中で紹介された、唯一の「無季俳句」「自由律俳句」なので、しっかり覚えておこう。
・各俳句の「季語」と「季節」を確認しよう。
・作者のメッセージを確認しよう。
①「関心を持てば」=「みな俳句の主役」
② 挨拶の気持ちが伝われば、その気持ちは、おのずと俳句となる。
③「できあがった俳句」=「作者だけの大切な記録」