taketakechopの小話の世界

taketakechopが展開するイラスト・映画・文法にまつわる小話の世界です。

品詞分解のススメ

学習書を読んでいて、

「多くの生徒はその手前でつまずいているのに、

今さら主語述語の見つけ方なんて教えてくれません。」

上の文が気になった。

何かモヤモヤする。

なぜだろう?

能力が高く、

自動修正機能を搭載している人は、

不具合を自然に修正してしまうので、

気にならないのかもしれないが、

僕は、駄目だ。

そして、

気になると、先に進めない。

本を読むのも一苦労だ。

そういうわけで、品詞分解する。

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【補足情報】

のに………(接続助詞)逆接の確定条件を表す。

今さら……(副詞)今では時機を逸しており、やっても無駄だという意を表す。

主語述語…複合語と考えた。

なんて……(副助詞)ある事物を示して、
          それを無視または軽視する気持ちを表す。

【分析結果】

①2文が合体して、1文になっている。

文の成分は、

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 「接続部」…「多くの生徒はその手前でつまずいているのに」

 「修飾語」…「今さら」(「教えてくれません」を修飾)

 「修飾部」…「主語述語の見つけ方なんて」(「教えてくれません」を修飾)

 「述部」……「教えてくれません」

 という型の文。

②逆接の助詞「のに」で、2文をつないで、1文にしている。

③1文目の主語・述部(述語)は、「生徒は」「つまずいている」

④2文目の主語が省略されている。

 (「教えてくれません」の主語が省略されている。)


他の言葉を取り除き、簡略化すると、

「生徒はつまづいているのに、教えてくれません」となる。

判った。

モヤモヤするのは、

この文の本当の主語が省略されているからか!?

通常、

文の最後にある言葉が述語なので、

「教えてくれません」がこの文の述語。

この「教えてくれません」の主語こそがこの文の主語になる。

なんかしっくりこない印象を受けるのは、

「文の本当の主語がない」ためだろう。

 

【改良作文】

①「教えてくれません」の主語を補足する。

「生徒は、つまずいているのに、先生は、教えてくれません。」

全文

「多くの生徒は、その手前でつまずいているのに、

今さら主語述語の見つけ方なんて先生は、教えてくれません。」

(「問題ないようだ。)

 

②「教えてくれません」を受け身表現に代えて、「生徒は」の述語にする。

「生徒は、つまづいているのに、教えてもらえません

全文

「多くの生徒は、その手前でつまずいているのに、

今さら主語述語の見つけ方なんて教えてもらえません。」

(こっちの方がしっくりくるような。)

 

というわけで、

文を読んでいて、モヤモヤしたとき、

品詞分解をすると、モヤモヤが解消されるかも。

「品詞分解のススメ」でした。