「保元の乱」は、
１１５６年に京都で起きた内乱です。
この事件をきっかけに「平清盛」が台頭します。
「保元の乱」は、
「崇徳上皇」と「後白河天皇」の間で起きた権力争いですが、
この争いを生み出した「根っこ」は、「白河上皇」です。
「白河上皇」は、
「堀河」「鳥羽」「崇徳」の３代にわたり
４３年間、院政を敷いた人物です。
長期政権は、
必ずトラブルを生みます。
（「プーチン政権」、「安倍政権」に然り。）
白河天皇の場合、それは女性関係でした。
（支配者なので、
道徳的にどうのこうのという話ではなく。）
晩年、女性関係が派手になったそうです。
そこから噂が生まれました。
噂①ひ孫の「崇徳天皇」が実は、実子説。
噂②平清盛も実子説。
（『平家物語』は、清盛＝白河上皇の実子説を採用しています。）
「崇徳天皇」白河上皇の実子説
「白河上皇」と「鳥羽天皇」は、「祖父と孫」の関係です。
「鳥羽天皇」は、
おじいちゃん（＝白河上皇）の養女（＝藤原璋子）を中宮として迎えます。
実は、「白河上皇」と「璋子」の２人は、男女の関係で、
入宮後も、関係が続いていたため、
鳥羽天皇の長男（＝崇徳天皇）は、
白河上皇の実子ではないかという説です。（諸説あります。）
「白河上皇」が亡くなると、
「鳥羽上皇」に院を敷くチャンスが訪れます。
さっそく
「鳥羽上皇」の第八皇子が４歳になると、
「崇徳天皇」に譲位を迫ります。
即位したのが「近衛天皇」です。
「近衛天皇」は、
「鳥羽上皇」が寵愛し、新たに内宮に迎えた「藤原得子」という女性が産んだ第八皇子です。
押し付けれた「おじいちゃんの子（＝崇徳）」よりは、
「自分が愛した女」の子（＝近衛）の方が大事でしょう。
しかし、
譲位させられた「崇徳上皇」は、無念です。
「おじいちゃん（＝お父さん＝白河上皇＝後ろ盾）が生きていたら、
こんなはずではなかった。
この恨み、晴らさでおくべきか～」みたいな感じでしょうか。
その後、
「近衛天皇」は、１６歳で亡くなってしまいます。
「近衛天皇」には、子がいなかっため、御所に暗雲が立ち込めます。
後継候補は、３人いたそうです。
その３人の中から、
次の天皇に選ばれたのが
「後白河天皇＝鳥羽上皇の第四皇子」でした。
「後白河天皇」は、
「崇徳上皇」から見ると、同母弟で、
「近衛天皇｝から見ると、異母兄です。
「弟＝近衛」が既に天皇になっているので、
本来なら、登板予定はありませんでした。
さらに鳥羽上皇からの評価も低かったそうです。
ところが、
ショートリリーフでの緊急登板が訪れます。
１軍選手の大半がコロナに感染したので、
急遽、１軍に昇格することになった万年２軍選手といった感じでしょうか。
さらに「運命のいたずら」が重なります。
「後白河天皇」が即位した次の年に「鳥羽上皇」が亡くなります。
これにより、
「ワンチャンスあるかも。」と思った
崇徳上皇が起こしたクーデターが「保元の乱」です。
「後白河天皇」も、
「鳥羽上皇」が生きていたら、
絶対に訪れなかった長期政権樹立のチャンスです。
絶対に失いたくありません。
この兄弟の争いに
摂関家（兄VS弟）、平氏（甥VS叔父）、源氏（父VS子）の争いも乗っかります。
「後白河天皇（現政権）」には、「関白＝藤原忠通」「平清盛」「源義朝」が
「崇徳上皇（一発逆転）」には、「左大臣＝藤原頼長」「平忠正」「源為義」が
加わります。
結果は、「後白河派」の勝利に終わります。
「後白河天皇」は、
保元の乱の２年後には、実子（＝二条天皇）に譲位し、
院政を敷くことに成功しました。
この「後白河」院政期間の出来事が『平家物語』の舞台になります。
「後白河上皇」の権力欲は、強く、
その権力維持のため、
多くの人が翻弄されます。
「崇徳上皇」との権力争いでは、
「平氏」「源氏」の力を利用します。
次に平氏が台頭して、
「平清盛」との権力争いが起こると、
「源氏」の力を利用します。
「源義仲」が
京都から「平氏」を追い出すと、
今度は、
「源頼朝」を利用して、「源義仲」を追い出します。
平家が滅亡すると、
今度は、「源頼朝」を警戒して、
「源義経」を利用しようと近づきます。
結局、
１１９２年に６５歳でなくなるまで、
権力への欲求がなくなることは、ありませんでした。
本来、表舞台に出なかったはずが、
ひょんなことから登場し、
歴史の中心人物となって、大暴れするところは、
後の「後醍醐天皇」に似ているなあと思ったり、
『スターウォ－ズ』の「パルパティーン皇帝」とも
イメージが重なったりします。
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