「接続詞をマスターしよう❸接続詞の本質」で、
「前後の内容が接続詞を決める」のではなく、
「接続詞が前後の内容の関係を作る」と言いました。
taketakechop.hatenablog.com
しかし、
このことがあまり理解されていません。
実際の問題集の問題で、
そのことを確認してみたいと思います。
例えば、
下の画像の5の問題のように
( )に接続詞を入れる問題があります。
ポピュラーな問題ですが、
基本、この問題は、解けません。
赤で印字されたものが答えです。
普通に考えれば、その通りだと思いますが、
絶対にそれしか答えがないのかと言われれば、答えは、他にもあります。
(2)(3)(4)(6)で、
他の可能性を考えてみてください。
👇解説です。
(2)夕食おいしそうだね。( )、明日、どこに行くの。
答えは、
話題を換えている判断して、「転換」を入れていますが、
「転換」が入るなら、「逆接」が入る可能性があります。
夕食おいしそうだね。(でも)、明日、どこに行くの。
なぜ、「でも」が入ったのか?
逆接は、
「原因→逆の結果」という関係を作ります。
「夕食=おいしそう」なら、「夕食に関係する展開」が順当な結果だが、
「違う話題が展開」、もしくは、「元の話題に戻る」という結果が起きた文になるため。
(3)練習は厳しい。( )上手になるのはとてもうれしい。
答えは、「逆接」を入れています。
「厳しい」なら、「マイナス感情」が生まれるのが普通だが、
逆の結果=「うれしい」という「プラス感情」が生まれた文と考えたからです。
「逆接」が入るなら、ほぼほぼ「順接」入ります。
練習は厳しい。(だから)、上手になるのはとてもうれしい。
* なぜ、「だから」が入ったのか?
順接は、
「原因→順当な結果」という関係を作ります。
「厳しい練習を受けた」という原因で、
上手になるなら、その厳しい練習が報われたので、
「うれしい」という順当な感情が生まれたという文になるため。
しかも、
この文は、
「とても」という「うれしい」の程度を表す情報を加えているため、
「順接」が入りやすくなっています。
「練習で上手になる」=「うれしい」
「厳しい練習で上手になる」=「とてもうれしい」
「厳しい」と「とても」が呼応しています。
(4)大急ぎで宿題済ませた。( )、約束の時間に間に合った。
普通は、「順接」を入れると思います。
「大急ぎで済ませた」ことが原因で、「間に合う」という結果になった。
しかし、
「順接」が入るなら、結構な確率で「並列・累加」が入ります。
大急ぎで宿題済ませた。(それに)、約束の時間に間に合った。
なぜ、「それに」が入ったのか?
「並列・累加」の働きは、単純に情報を加えるだけです。
ただプラスするだけなので、意図せずとも成立してしまいます。
「大急ぎで済ませた」という情報に
「間に合った」という情報を足しただけの文になるため。
「順接」が入れば、「並列・累加」も入るので、
実は、(3)にも「並列・累加」が入ります。
練習は厳しい。(それに)上手になるのはとてもうれしい。
(6)衣替えをしたら、上着のそでは短く、ズボンの丈も短った。( )、僕が大きくなったということだ。
答えは、「説明・補足=つまり」を入れています。
しかし、これは、逆に「順接」を入れる人の方が多いと思います。
衣替えをしたら、上着のそでは短く、ズボンの丈も短った。
(だから)、僕が大きくなったということだ。
なぜ、「だから」が入ったのか?
「服が小さかった」ということが原因で、
順当な結果=「大きくなった」という考えが生まれた文になるため。
(4)で、
「順接」が入るなら、結構な確率で「並列・累加」が入ると言いましたが、
ここで、「並列・累加」が入りません。
それは、
「~ということだ」を付け加えることで、「つまり」を入るようにしたためだと思います。
というわけで、
問題文にかなりの条件を付け加えないと、
この種類の問題は解けません。
基本、定期テストで出題するのは、避けた方が良いです。
ただ、どうしても出題したいのならば、かなり考えないといけませんが、
基本的な逃げ方としては、
問題文に「もっともふさわしいものを選びなさい。」を加えておくと結構、逃げれます。
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