www.taketakechop.net 前回「バディ(=相棒)の法則」のお話をしましたが、「バディ(=相棒)の法則」に則った一大ジャンルは、「刑事モノ」に限りません。実は「恋愛モノ」も「バディ(=相棒)の法則」に則った一大ジャンルです。
そのため、恋愛映画は「出会いは最悪で、衝突を繰り返しながら、結ばれる」という大筋をたどることになります。
『プリティ・ウーマン』1990
実業家 × 娼婦
1990年度の全米興行収入第1位に輝いたロマンティック・コメディの決定版。1989年の『マグノリアの花たち』で注目を集めていたジュリア・ロバーツが、この『プリティ・ウーマン』で一気に世界的女優へ。
ちなみにジュリア・ロバーツは、『マグノリアの花』と『プリティ・ウーマン』で2年連続でゴールデングローブ賞を受賞しました。(『マグノリアの花』では、助演女優賞、『プリティ・ウーマン』では、主演女優賞を受賞。)
『バラ色の選択』1993
一流ホテルのコンシェルジェ × 富豪の愛人
ホテル開業が夢のコンシェルジュ、ダグ(=マイケル・J・フォックス)。夢のホテルの開業資金を頼りたい相手が富豪のクリスチャン・ハノーバーで、そして、ダグがほのかに想いを寄せている同じ職場のアンディ(=ガブリエル・アンウォー)は、富豪クリスチャンの愛人という設定です。原題の『FOR LOVE OR MONEY』にもあるように、「愛か、お金」かという、とても分かりやすいロマンティック・コメディです。
監督は、『アダムス・ファミリー』『メン・イン・ブラック』のバリー・ソネンフェルドです。
『シザーハンズ』1990
人造人間 × 普通の少女
異形種との恋愛。そこに絶対的な障壁が存在するため、敢えて2人の感情が衝突するようなキャラクター設定にはしていないような…。それ故に、お互いがお互いを慮るという、とても切なく、優しいロマンティック・ファンタジーとなっています。初期ティム・バートンの傑作です。ちなみに「バートン&デップ」の黄金コンビ第1弾でもあり、普通じゃないジョニー・デップの第1弾でもあります。
『10日間で男を上手にフル方法』2002
女性ファッション誌の編集者 × 広告代理店勤務の男
「10日間で男を上手にフル方法」という記事を書くことになった女性編集者と、ダイヤモンド会社の担当を巡って「10日間で女性の心をつかむ」という賭けをすることになった広告代理店勤務の男性、真逆の目的をもった2人が織りなすロマンティック・コメディ。
監督は、マコーレ・カルキンの『リッチー・リッチ』や『デンジャラス・ビューティー』のドナルド・ペトリです。
『素晴らしき日』1996
建築デザイナー × 人気コラムニスト
原題に『ONE FINE DAY』とあるように、悲劇的に出会ったシングル・ペアレントが、恋に落ちるまでの素晴らしい1日を描いたロマンティック・コメディです。
2人の共通点は、バツイチで、5歳の子持ちです。お互いの子供が絡んでくることで、大人と子供のバディ要素も追加され、面白味が増しています。ニューヨークが舞台となっていますが、ニューヨークを舞台にする「恋愛モノ」って結構多いです。今回の『バラ色の選択』と『10日間で男を上手にフル方法』もニューヨークが舞台でした。
『メーン・イベント』1979
破産寸前の女社長 × 元ボクサー
全財産を失った女社長ヒラリーの手元に残ったのは、引退したボクサーとの契約書のみ。彼をカムバックさせて、一山当てようとするのだが…バーブラ・ストライサンドとライアン・オニールの掛け合いが楽しい、お気に入りのロマンティック・コメディです。
ちなみにバーブラ・ストライサンドは、歌手出身の女優で、1968年、映画初主演の『ファニーガール』で第41回アカデミー主演女優賞を獲得、その後は『スター誕生』で第49回アカデミー歌曲賞を受賞。自身の初監督作品となる1991年の『サウス・キャロライナ/愛と追憶の彼方』では、監督・主演・脚本・製作、主題歌の5役を務めるという、最強女優です。そういえば、前に世界広しといえども、なかなかいない「監督・脚本・主演・主題歌」をする男 という記事を書きましたが、バーブラ・ストライサンドもそうでした。
※『スター誕生』と、現在公開中の『アリー/ スター誕生』は、同じ『スタア誕生』(1937)をリメイクしたものです。
『Gガール 破壊的な彼女』2006
スーパーガール × 平凡なサラリーマン
『シザーハンズ』と同じく異形種との恋愛を扱っていますが、全くテイストが異なります。付き合った女性が大人しい人だと思っていたら、実はスーパーガールで、実は性欲が強く、実は嫉妬深く…といった、ちょっと変わった恋愛コメディです。主演のルーク・ウィルソンは、オーウェン・ウィルソンの弟です。監督は『ゴーストバスターズ』のアイヴァン・ライトマンです。