taketakechopの小話の世界

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第3回 格助詞「が」と係助詞「は」が扱う情報(全4回)

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第3回は、

格助詞「が」係助詞「は」の違いを考える中で、

taketakechopが

最も分かりやすいんじゃないかと思う

「扱う情報」の違いです。

③扱う情報

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格助詞「が」が扱う「新情報」とは、

聞き手や読み手が

「初めて聞く情報」「知らない情報」のことです。

一方、

係助詞「は」が扱う「旧情報」とは、

聞き手や読み手が

「既に聞いた情報」「知っている情報」のことです。

 

昔話の「桃太郎さん」の冒頭で、

説明すると分かりやすいので、

「昔々で~」始まる冒頭部分を思い出してみて下さい。 

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↑こんな感じですかね。

「が」「は」に色をつけてみます。 

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どうですか、分かりました?

「が」「は」の違い。

聞き手や読み手は、

①の段階では、

まだ「お爺さんとお婆さん」のことを知りません。

知らない情報です。

だから、

②で「お爺さんとお婆さん」が登場するとき、

新情報として「が」を使っています

聞き手や読み手は、

③④の段階では、

もう「お爺さんとお婆さん」を知っているので、

③④で「お爺さんとお婆さん」が登場するとき

旧情報として「は」が使われているということなんです。

また、

第2回で書いた

係助詞の特色である

「意味を副える」は、何になるかというと、

この場合は、①区別、題目になります。

区別とは

聞き手や読み手は、

「お爺さんとお婆さん」を同時に知ったので、

まず、

「お爺さんがどうしたのか?」という情報を伝えるため

「お爺さんは」と係助詞「は」を使うことで、

「お婆さん」と区別したということです。

題目とは

「取り立てる」、「話題の設定」とも言われますが、

「お爺さんとお婆さん」という情報の中から

「お爺さん」という情報をピックアップして、

「お爺さんは、どうしたのか?」という

話題を設定したということです。

 

他の例も見てみましょう。

taketakechopの人生を大きく作用し、

決して忘れることのできない、

あの太宰治の『走れメロス』では、どうでしょうか?

出だしです。

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話が始まって、

聞き手や読み手は、メロスのことを知らないのに

一行目から、いきなり「は」を使っていますが、

これは、

題名の『走れメロス』で、

聞き手や読み手には、

既に「メロス」という情報が渡してあるため、

旧情報として、

「走れ」、「メロス」という2つの旧情報の中から、

「メロス」という情報を取り立て

メロスは、どうしたのか?」という

話題を設定したということなんです。

 

第3回のまとめ

 聞き手、読み手が知らない新情報のときは、

格助詞「が」を使い、

聞き手、読み手が知っている旧情報のときは、

係助詞「は」を使う。

 

ところで、

そもそも、この話、面白いのでしょうか?

taketakechop的には、面白いのですが…。

ここまで「頑張って読みましたよ」という

奇特な方々に感謝致します。

ありがとうございます。

それでは、次回が最終回です。

最終回 

格助詞「が」と係助詞「は」の性質と読点、いるの?要らないの? へ続く

taketakechop.hatenablog.com