『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』2017年
アレックス・カーツマン監督
The Mummy
【基本情報】
ユニバーサル映画が企画展開する新事業「ダーク・ユニバース」の第1作目。1932年『ミイラ再生*1』のリブート作品。
監督は、アレックス・カーツマン*2で、主演はトム・クルーズが務めています。
公開初週末の全米興行成績を3500万ドル~4000万ドルと予想するも、3168万ドルに終わり*3、予想を下回ったそうです。
もちろんトム・クルーズは嫌いではないので、トム・クルーズが主役で問題ないのですが、ただ、この新事業を託すことのできる40代前半の力ある俳優が、今、ハリウッドに枯渇しているのかなーと思いました。
1970年生まれの主な俳優
1970年イーサン・ホーク
1971年マーク・ウォールバーグ
1971年マーティン・フリーマン
1971年ユアン・マクレガー
1970年マット・デイモン
1972年ベン・アフレック
1972年ドウェイン・ジョンソン
1972年イドリス・エルバ
1974年レオナルド・ディカプリオ
1974年クリスチャン・ベール
1975年ブラッドリー・クーパー
1976年ライアン・レイノルズ
1976年ベネディクト・カンバーバッチ
1976年サム・ワーシントン
1977年トム・ハーディ
1978年ジョシュ・ハートネット
1978年アシュトン・カッチャー
こうやって、70年生まれの俳優を並べてみると、個人的にはドウェイン・ジョンソンがいるではないかと思いますが、イギリスを起点とするお話でもあると思うので、イギリス出身のイドリス・エルバや、トム・ハーディなんか良かったのではないかと思いました。
いろいろなところで酷評されてしまった*4作品なので、今更、あれやこれやと言うこともないとは思いますが、次の6観点で考えてみました。
①とにかくモンスター映画を求める人
②見せ場アクションを求める人
③トム・クルーズの恰好良さに期待する人
④歴史的事実とオカルトの融合求める人
⑤筋を大事にしている人
⑥「ダーク・ユニバース」計画に過大に期待している人
①とにかくモンスター映画を求める人
1999年の『ハムナプトラ/失われた砂漠の都』や、2014年の『ドラキュラZERO』などのユニバーサル怪奇映画が好きな人 *5や、米Showtimeの『ペニー・ドレッドフル ~ナイトメア 血塗られた秘密~』を関心をもって観た人は楽しめると思います。星4★★★★
②見せ場アクションを求める人
画面的に飽きることはありませんが、語り継がれるような印象的な場面はなかった。
星3 ★★★
③トム・クルーズの恰好良さに期待する人】
トム・クルーズは、顔がちょっとふくっらとしていて、シャープさに欠けるビジュアルでした。キャラクターは、現金第一主義というわけでもなかったし、軽薄そのものというわけでもなかったし、自己中心的というわけでもなかったし、正義感に溢れるわけでもなかったし、主人公の特殊スキルの提示も特になく、キャラクターの魅力はありませんでした。
トム・クルーズ出演作品の中では「最低の出来」という評価もあるそうですが、そこまでは思いませんでしたが、並みの並みでしょうか(!?)。ただ、2005年の『宇宙戦争』*6よりも、恰好良くありませでした。『宇宙戦争』の主人公は、冴えない中年*7のバツイチのお父さんであったのに対して、本作『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』は、盗掘もする軍人でキャラクター自体の恰好良さは「コンテナオペレーターのお父さん<盗掘する軍人」になるにも関わらず、実際は「コンテナオペレーターのお父さん>盗掘する軍人」になっているところがこの問題の深さかもしれません。星3 ★★★
④歴史的事実とオカルトの融合求める人
古代エジプト、邪神セト、十字軍騎士団などが出てくるも、自分の不勉強のためか、歴史的事実にはグッときませんでした。またホラー要素よりもアクション要素が強くなっているためか、それとも当たり前のようにミイラが出てきて、ホラー要素が薄いためか、そもそも恐怖の仕掛けがないためか、よくわかりませんが、オカルト的な怖さはもあまり感じませんでした。星2 ★★
⑤筋を大事にしている人
一応、英語、日本語吹替、日本語吹替で、3度観たが自分の集中力のなさからか、3度とも30分過ぎからポヤーンと分からなくなりました。
序盤の30分は=「★★★★」で興味・関心を持てましたが、30分過ぎからの「物語の全景」説明では、興味・関心が薄れ=「★」に。
問題が大きくなる60分でも興味・関心を持てず=「★」、主人公のすべきことが明確になる70分あたりから、どうにか意識が戻るも「★★」のまま終幕へ。星2 ★★
⑥ダーク・ユニバース計画に過大な期待している人
オープニングのロゴタイトルは、力入っているなーと楽しめましたが、第1弾としてのしびれるような爆発力はなく、今後に一抹の不安を感じてしまうかもしれません。
星2★★
まとめ
トム・クルーズが好きな人で、モンスター映画を愛してやまない人は旧作レンタルなら十分楽しめるでしょう。僕は『ハムナプトラ』の隣に並べったかので、廉価版を収集しました。
ついでに『ハムナプトラ』と『宇宙戦争』の6観点別評価です。
「トム・クルーズの『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』6観点別評価」でした。
*1:1930年代に展開した『魔人ドラキュラ』、『フランケンシュタイン』に次ぐ怪奇映画第三弾。主演は、フランケンシュタインのボリス・カーロフ。
*2:監督としてより、脚本家として有名。主な脚本作品は、『エンダーのゲーム』、『アメイジング・スパイダーマン2』、『オール・ユー・ニード・イズ・キル』 。
*3:同じ『ミイラ再生』のリブート作品『ハムナプトラ/失われた砂漠の都』の4336万ドルを1000万ドル以上下回る。うーむ、残念。
*4:映画批評集積サイト「Rotten Tomatoes」では、批評家支持率は、15%、平均点は、10点満点で4.2点の低評価。
*5:ユニバーサルスタジオの「ユニバーサル・モンスター・ライブ・ロックンロール・ショー」を好きな人も同じく。
*6:スティーブン・スピルバーグ監督とは、2002年『マイノリティ・リポート』以来の2作目。
*7:港でコンテナ荷の積み下ろしを生業としていた。ただし60分に40個下すスゴ腕コンテナオペレーター。