映画の小話10
1979年『チャンプ』(フランコ・ゼッフィレッリ監督)
THE CHAMP
元ボクシング世界チャンピオンとその子どもが織りなす感動作。
『チャンプ』のラストシーンは、
「確実に人を泣かせる」という話を聞いて、
ふと
1986年あたりのことを思い出した。
学校の映画鑑賞会で、この『チャンプ』を観たあと、
トイレでオシッコをしていると、
右隣りに人が来た。
人影のサイズから高校生 *2 だろう。
taketakechopは、
オシッコの最中に
隣りに人が来ると、
オシッコが止まっちゃうタイプだ。
「むー」と思いながら、
捻り出そうとしていると、
何かが変だと感じた。
横を向けなかったので、
前を向きながら、最大限右側の視野を広げる。
ぼやーっと広がる視界。
すぐに
オシッコ・リズムが変だとわかった。
小刻み過ぎるんだ。
taketakechopは、
そんな小刻みなオシッコ・リズムを知らない。
どういうことかと、
我慢できずに横をチラリと盗み見すると、
ゴリラのように厳つい高校生が号泣していた。
そのときは、ただ気持ち悪いなと思っただけだったが、
今、考えると、
それは、『チャンプ』のせいだろう。
中学生のtaketakechopは、
泣いていなかったどころか、
何とも思っていなかった。
「七つまでは神のうち」という言葉が表すように
taketakechopは、
まだ神の領域にいた *3 からであろうか。
というわけで、
今さら『チャンプ』を観返す。
123分後、
確かに泣いてしまったけれども…、
終幕場面では、泣けなかった。
人とズレていてるのか!?
はたまた
taketakechopは、
未だに神の領域にいるのだろうか!?