『トータル・リコール』1990
TOTAL RECALL
監督は、『ロボコップ』『氷の微笑』のポール・バーホーベンです。ポール・バーホーベン監督はオランダ出身で、1985年の『グレート・ウォリアーズ/欲望の剣』から活動の場をアメリカに移しています。『トータル・リコール』は、『グレート・ウォリアーズ/欲望の剣』『ロボコップ』につぐ、アメリカ進出3作品目で、このとき52歳でした。2000年の『インビジブル』以降は、活動の場をオランダに戻しています。
『トータル・リコール』は、あのアーノルド・シュワルツェネッガーが赤々とした空気のない火星で大暴れする冒険活劇です。当時、スタローン派の僕がリアルタイムで観たシュワルツェネッガー主演映画は、この『トータル・リコール』と『ターミネーター2』しかありませんでした。ちなみに、「ドラクエ」派であった僕は『ファイナルファンタジー』をプレイしたいと思いましたが、「ドラクエ」を裏切るような気がしてプレイ出来ませんでした。なぜに、派閥を作ってしまっていたのか!?もっと自由であれたら、良かったのにと思いますが、覆水盆に返らず。
ジャン、ジャン、ジャンジャジャーンと金属音が響くテーマ曲*1と閑散としたネズミ色の未来都市 *2がピタリとはまり、当時「面白いなー」と思いましたが、スタローン派の僕は素直になれず、「うーん、どうもな」などと渋い顔をして、駅前の映画館を後にしました。 今では、もうスタローン派も、シュワルツェネッガー派もないので、火星入国審査(!?)の場面で「オバサンの顔がブイーン、ブイーンとなる場面」を素直に楽しむことができています。
1992年に『氷の微笑』でブレイクする前のシャロン・ストーンも出ています。この作品がきっかけで、ポール・バーホーベン監督の次回作『氷の微笑』のヒロインに起用されます。『氷の微笑』は、世界で3億5千万ドル越の大ヒットとなり、シャロン・ストーンは、90年代を代表するセックス・シンボルになりました。
ブレイク後では、1993年のアーノルド・シュワルツェネッガー主演の『ラスト・アクション・ヒーロー』にカメオ出演しており、1994年の『スペシャリスト』では、シルベスター・スタローンとも共演しています。
原作は、フィリップ・K・ディック *3 の短編『記憶売ります』 *4 です。
フィリップ・K・ディック(1928-1982)
アメリカのSF作家。
44編の長編小説を執筆。1963年、歴史改変SF『高い城の男』でヒューゴー賞 長編小説部門を受賞。死後、多くの作品が映像化されています。あの『ブレードランナー』も、フィリップ・K・ディックが1968年に発表した『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を原作としています。
「火星を舞台に冒険活劇!シュワルツェネッガーの『トータル・リコール』」でした。