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火星を舞台に冒険活劇!シュワルツェネッガーの『トータル・リコール』

『トータル・リコール』1990

TOTAL RECALL

トータル・リコール [DVD]

 監督は、『ロボコップ』『氷の微笑』のポール・バーホーベンです。ポール・バーホーベン監督はオランダ出身で、1985年の『グレート・ウォリアーズ/欲望の剣』から活動の場をアメリカに移しています。『トータル・リコール』は、『グレート・ウォリアーズ/欲望の剣』『ロボコップ』につぐ、アメリカ進出3作品目で、このとき52歳でした。2000年の『インビジブル』以降は、活動の場をオランダに戻しています。

http://www.reelworldtheology.com/wp-content/uploads/2016/11/Paul-Verhoeven-Featured.jpg●『トータル・リコール』トレーラー

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 『トータル・リコール』は、あのアーノルド・シュワルツェネッガーが赤々とした空気のない火星で大暴れする冒険活劇です。当時、スタローン派の僕がリアルタイムで観たシュワルツェネッガー主演映画は、この『トータル・リコール』と『ターミネーター2』しかありませんでした。ちなみに、「ドラクエ」派であった僕は『ファイナルファンタジー』をプレイしたいと思いましたが、「ドラクエ」を裏切るような気がしてプレイ出来ませんでした。なぜに、派閥を作ってしまっていたのか!?もっと自由であれたら、良かったのにと思いますが、覆水盆に返らず。

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トータル・リコール - 火星の夢(『トータル・リコール』より)

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  • ¥150
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 ジャン、ジャン、ジャンジャジャーンと金属音が響くテーマ曲*1と閑散としたネズミ色の未来都市 *2がピタリとはまり、当時「面白いなー」と思いましたが、スタローン派の僕は素直になれず、「うーん、どうもな」などと渋い顔をして、駅前の映画館を後にしました。 今では、もうスタローン派も、シュワルツェネッガー派もないので、火星入国審査(!?)の場面で「オバサンの顔がブイーン、ブイーンとなる場面」を素直に楽しむことができています。

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 1992年に『氷の微笑』でブレイクする前のシャロン・ストーンも出ています。この作品がきっかけで、ポール・バーホーベン監督の次回作『氷の微笑』のヒロインに起用されます。『氷の微笑』は、世界で3億5千万ドル越の大ヒットとなり、シャロン・ストーンは、90年代を代表するセックス・シンボルになりました。

 ブレイク後では、1993年のアーノルド・シュワルツェネッガー主演の『ラスト・アクション・ヒーロー』にカメオ出演しており、1994年の『スペシャリスト』では、シルベスター・スタローンとも共演しています。

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 原作は、フィリップ・K・ディック *3 の短編『記憶売ります』 *4 です。

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フィリップ・K・ディック(1928-1982)
アメリカのSF作家。
 44編の長編小説を執筆。1963年、歴史改変SF『高い城の男』でヒューゴー賞 長編小説部門を受賞。死後、多くの作品が映像化されています。あの『ブレードランナー』も、フィリップ・K・ディックが1968年に発表した『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を原作としています。

アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))

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 「火星を舞台に冒険活劇!シュワルツェネッガーの『トータル・リコール』」でした。






*1:『ランボー』や『キングソロモンの秘宝』の巨匠ジェリー・ゴールドスミスが作曲。

*2:ポール・バーホーベンの未来都市は、『ロボコップ』でも『スターシップ・トゥルパーズ』でもネズミ色。

*3:『ブレード・ランナー』、『ペイチェック消された記憶』や『アジャストメント』の原作者としても有名。

*4:「記憶を売る」というアイディアは、漫画『コブラ』の1巻「復活!コブラ」の巻にも流用されている。『コブラ』では、トリップ・ムービー社という会社が記憶を売っていた。