終助詞「な」
学校でも、参考書でも、学習書でも、
ほとんどの場において、
「助動詞・助詞」(=付属語)は、
軽んじられているように思えて、悲しい。
助動詞・助詞こそが大事だと思うが、
賛同を得ることも、あまりない。
これは、もう信仰だから、仕方ない。
付属語の重要性を世に広めるために、
今回は、
終助詞の「な」について書こう。
数年前、
「な」は、何かと気になり、
調べると、
「な」は、「感動・詠嘆を表す。」とあった。
・凄いな。
・美しいな。
・面白いな。
確かに相違ない。
しかし、
・おにぎりだな。
これは、感動・詠嘆を表しているのか?
『裸の大将』で、
山下清が「おにぎりなんだな。」と言っている場面を思い浮かべると
感動・詠嘆と言えなくないような気もする。
ところが、しかし、
・うんこだな。
これは、どうなんだろう?
これも、感動・詠嘆と言えるのか?
文法的には、
「おにぎりだな」と同じ
「名詞」+「断定の助動詞」+「感動の助詞」という構造なので、
間違いは、ない。
しかし、何か変だ。
どこかに落とし穴があるはずだと
消去法でアレコレ考えていると、
「感動」という言葉が残った。
「感動」の意味を調べる。
「深く物事に感じて心を動かされること。」とあった。
なるほど、
僕は、勘違いをしていた。
「プラス面に心が動いたとき」だけが感動だと。
確かに、
朝、学校に行って、教室にうんこが落ちていたら、
心動くわ。
ということは、
「お爺ちゃんが死んで、感動した。」
これも、決しておかしくない表現なのだろう。