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こんなトム・クルーズも観てほしい  【前編】1999年『マグノリア』のフランク・T・J・マッキー役

 そもそもトム・クルーズは、好きではありませんでした。1986年の『トップガン』から、ただ顔が良いだけじゃないかと敬遠していたので、トム・クルーズの映画をリアルタイムで観たことがほとんどありませんでしたが、そんなトム・クルーズの評価を一変させた2本について。

 前編は『マグノリア』です。ポール・トーマス・アンダーソン監督が1999年に制作した群像劇で、第72回アカデミー賞で3部門にノミネートされ、2000年のベルリン映画祭では金熊賞(グランプリ)を受賞しています。 ちなみに2002年の金熊賞は、宮崎駿監督の『千と千尋の神隠し』です。

 

『マグノリア』1999年
Magnolia

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 トム・クルーズは、基本、主役でしか出演しません。『マグノリア』は、トム・クルーズにとって数少ない助演作品です。役柄は、著述家&セミナー講師で、『誘惑してねじ伏せろ』というハウトゥー本を出版して、「もてない男たちにもてる方法」を伝授する自己啓発セミナーを開いています。

 セミナーでの登場シーンがとくに恰好いいです。

 真っ暗闇の中から「ツァラトゥストラはかく語りき(序奏)」(=「2001年宇宙の旅のテーマ曲」)が鳴り響き、暗がりから徐々に姿が浮かびあがります。そこから、トム・クルーズは、ゆっくりと筋肉ポーズを取り、そして、ゆっくり元のポーズに戻します。すると、「誘惑してねじ伏せろ」の垂れ幕がバサッ!自身に満ちた声で、トム・クルーズが静かに語り始める。

「イチモツを敬え!」

間髪入れず、

「そして おマンを手なずけろ!」

と絶叫!(どんな訳か!?)会場に、割れんばかりの拍手が響き渡ります。トム・クルーズは、腕をグルグル振り回しながら、セミナーを開始…。

上で説明した登場シーンです。

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 セミナーが終わって、インタビューを受ける場面では、白のブリーフパンツ一丁の姿で、「バットマンになった気分」「おれはスーパーマン!」と意味不明なポーズを連発。しかも、パンツの中に絶対、何か入れてるし、もう滅茶滅茶です。「こんな変な役を格好よくできる人、他にいるか!?」と興奮したのを、今でもよく覚えています。ただ、この作品は、群像劇なため、トム・クルーズの出演時間が少ないのというのがただただ残念ですが、僕は、この『マグノリア』以降、トム・クルーズ作品をよく観るようになりました。(それはさておき、『マグノリア』は、トム・クルーズ関係なしで観ても純粋に面白いです。)

後編は、「2008年『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』のレス・グロスマン役」です。

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